玉本奈々さんへ贈る言葉
私が初めて玉本奈々さんの作品を見たとき、金槌で頭を殴られたほどの衝撃を受けました。
そして「こんな色彩感覚を持った作家が日本にいたのか」と驚嘆したことを覚えています。
それ以来、玉本さんの作品に囲まれて、「色彩の魔術師マティス」の講演会を日本で開くのが、
私の夢となりました。
そして、7月にとうとうその夢が、玉本さんの地元の枚方市で実現することとなったのです。
マティスが1905年に出展したパリのサロン・ド・オートンヌで、仲間のドゥランやヴラマンクと
いっしょに、野獣のような色の使い方をするという意味で、野獣派、フォービスムをクリエート
したように、玉本さんにも、新たなエコール(芸術の流れ)を創りだし、現代美術史に足跡を残される
だけの能力があることを、私は深く信じて疑いません。
そして、天才作家にふさわしく、彼女がフランスで作品を発表して、国際的に正当な評価を受ける
ことを望みます。
森 耕治
ベルギー王立美術館公認解説者
美術史家
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